(VOVWORLD) - アメリカ政府は8日、ロシアへのさらなる追加制裁を発表しました。アメリカ企業からロシア国営テレビ局への広告費や、アメリカから提供される経営、会計コンサルティングのサービスを遮断します。
アメリカのイエレン財務長官は声明で、ロシアが米欧の制裁から逃れようとする抜け道や、プーチン・ロシア大統領が軍事侵攻に使う収入源を断つことが目的だと説明しました。
アメリカ政権高官が記者団に語ったところによりますと、新たな制裁の対象となるテレビ局は「チャンネル1」「ロシア1」「NTV」です。3局が米欧から得た広告収入は、昨年だけで3億ドル(約390億円)に上ります。
同高官は「連日聞こえてくるプーチン氏のうそと偽りを広める放送局の事業を手助けするつもりはない」と述べました。
コンサルティングサービスの禁止では、法律分野が当面、制裁対象から外されます。ただし日々の見直しは継続するということです。
追加制裁ではこのほか、ロシアへの産業機器の輸出に新たな規制をかけます。ウクライナで使われている自動小銃などの武器を製造する企業も対象とし、ウランやプルトニウムなど核関連品目の対ロ輸出を禁止します。
またアメリカ国務省によりますと、ウクライナで人権侵害や人道法違反、不正行為に関与したとみられるロシア軍当局者2596人、ベラルーシ軍当局者13人へのビザ発給を制限します。
国営ガス会社ガスプロム傘下の銀行の幹部らも、制裁対象に加えられました。同銀行は、欧州諸国がロシア産天然ガスを購入する取引を扱っています。銀行の資産凍結や取引自体の禁止には至っていませんが、ロシア側に対して同銀行が逃避先にはならないことを伝える狙いがあるということです。(CNN.co.jp)